決心は常に、感情的な反応の結果である

感情が強ければ強いほど、決心したという確信が強くなる。
意外かもしれないが、知識だけでは、私たちは変わることができない。
肥満は不健康だ、喫煙が肺がんの原因になる、と頭で理解するだけでは不十分なのだ。
学校の成績を上げる方法を雑誌で読んだり、よい上司になる方法をビジネス書で読んだりしても、情報を学ぶだけでは変化を起こすには足りない。
人生のすべての大きな決断や選択には、感情が絡んでいる。
たとえばあなたが、特定の分野を勉強したいと思った場合、その選択肢に至るまでに、なんらかの感情が介入しているはずだ。
ダイエットをしようという決意の裏には、感情がある。
仕事を厳選して大きなプロジェクトだけを扱う決意をしたのは、平凡な仕事と報酬の少なさに嫌気がさしたから?来年はもっと厳しいトレーニングをしようと決意したのは、万年四位の成績にうんざりしたから?それとも、一番になる喜びをふたたび味わいたいから?自分をバージョンアップして、夢を追いかける勇気を持ってほしい。

自分が変わるプロセスのなかで、感情の果たす役割は大きい。

先にも述べたとおり、メンタルトレーナーとしての私の仕事のひとつは、潜在能力を引き出したい、パフォーマンスを向上させたい、と願うクライアントの「感情を引き出す」ことだ。
典型的な例を挙げよう。
ある経営者がもっと成長したいとビジネス講座に出席したが、いざ会社に戻ると、以前と同じような仕事ぶりだった。
この人は志も高く、講座の内容もしっかりしたものだったのに、なぜか。
講座が感情に訴えなかったからだ。
私たちは変化が苦手だ。
つらいし、未知の領域に踏み込むのは不安なのだ。
人間は、変化を拒み、避けたり延期したりする生きものだ。
変化を生むはずみをつくる唯一の方法こそが、感情に働きかけることなのだ。
では、私がクライアントの感情を引き出す方法は?わざと挑発するのだ。
スポーツ界にもビジネス界にも、全力を尽くす決断をしたことがない人がごまんといる。
ゴールを目指すことに専念していないのだ。
何をしているかといえば、そうなればいいな、と願っているだけ。
それではだめだ。
ゴールに到達することを「願う」より、「本気でやる決心をする」ほうが、はるかに強力だ。
絶対に実現させる。
それ以外の道はない、と腹をくくるのだ。
私がクライアントを挑発するのは、そんな決断をさせるためだ。
そこを目指す理由についても表明させる。
変化を起こさなければ、結果が得られないことに気づかせるのだ。
一流スポーツ選手には、こんなふうに問いかける。
「このまま同じことを続ければ、同じ成績をキープするのが関の山です。
最高のシナリオでも、ランキング五位でキャリアを終えることになる。
それがあなたの望みですか、それとも、なんらかの変化を起こす覚悟をしますか?」減量をしたい人には、こう言うだろう。
「このまま今の食生活を続けていれば、五年後にはどうなりますか?おそらく九キロは体重が増えているでしょう。
九キロですよ!もっとお腹が出て、気力が萎え、今よりさらに惨めな気分になりますよ」たいていの人間は怠け者だ。
なんとなく同じことを続け、たいていの場合、行きたくない方向に進んでしまう。
そんなときには、挑発的な質問が功を奏する。
「変化を起こしたいですか?それとも現状のまま、居心地だけはいい平凡な地位でキャリアを終えたいですか?それが本当の望みですか?」

もう遅すぎる、と思っているあなたへ

四〇歳の人は、かつて二〇歳だった。
肥満体型の人も、スリムだった頃があった。
何をするのも億劫な人にも、活動的な時代があった。
幻滅した人は、かつては期待に満ち、活気にあふれていた。
時の流れとともに、成功への意識も、身体が熱くなるような夢も、しぼんでしまう。
そしていつしか、「ゴールも夢も時の流れが締め出してしまったことを受け入れよう」という新しい価値観を育んでしまうのだ。
多くの人は、子どもを持ったり、結婚したり、ある年齢に到達したりすることによって、より無難なライフスタイルを受け入れてしまう。
学生時代や子ども時代の決意は、あの頃の熱意やひたむきさは、どこに行ってしまったのだろうか?理想や夢を追うにはもう遅すぎる、と失望したときに、どんな感情がつきまとうだろう。
苦々しい気分、閉塞感、人生に対する否定感?人間にとって、これほど非生産的な感情があるだろうか。
ここであなたが、「しまった、今すぐ行動しなければ!」と反応してくれたら、しめたものだ。
こういったやりとりによって、感情が生まれる。
変化には代償がつきものだ。
何かを犠牲にする必要がある。
ところが、思い切って変化の道を選んだ人のほとんどが、それを喜びと感じている。
技術を高めるためにすべてを注ぎ込んで努力したスポーツ・全力を注ぎ込む勇気を持つ・六時に起床、一〇時に就寝、一週間の予定を立て、健康的に食べ、集中して効率よく仕事をする・タフになる・たっぷり運動をする・一週間全力で頑張って、そのときの気分を確かめる

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